お祖父ちゃんのジャケットの話

現在32歳の私は、中学生の時に母方のお祖父ちゃんを亡くした。

お祖父ちゃんは躾には厳しかったが、よく物を買い与えてくれた。様々なご褒美として買ってもらったゲームソフトは、やらないまでも今でも捨てられずにいる。

 

その後、お祖母ちゃんも亡くなり、家の整理をしたとき、お祖父ちゃんのジャケットを数着貰った。家には30着以上のジャケットとそれに合せたスラックスがあったが、着られそうなジャケットだけ選んだ、というわけだ。

少々昭和を感じるようなデザインで、派手では合ったが、逆にそういうおしゃれを楽しむ人もいる、というので、それに便乗してごくたまに着用している。

 

 

シンプルに生きようと思うと、物を捨てたくなる。

だけどこういうものは捨てられない。だんだんおじさんになっていく中で、当然、思い出も増えていく。その分だけものも増えてしまうのは仕方ないと思い始めている。

 

ジャケットは私に似合っていないかもしれない。それでも着用したい瞬間があるのは、お祖父ちゃんを思い出したいのかもしれないし、お祖父ちゃんに守ってもらいたい、甘えたいと思っているのかもしれない。

物があふれている我が家から、駄文でした。