不良に助けられていた話

私は中学生時代、いわゆるガリ勉だった。

中学1年生のときからメガネも掛け始め、イジメの対象になっていたとも思う。

ただ、私は近所の不良、Yくんに助けられていた。

 

Yくんの家までは約50メートルくらいの激近で、小学生低学年頃までよく遊んでいた。高学年になるとYくんは学校の、いわゆるカースト上位層で、私とは違う世界に行っていた。

中学校の入学式直前に開かれた6年生を送る会で、たまたまYくんと久しぶりに話す機会があった。そこで、「入学式一緒に行かない?」と声をかけた。

Yくんは何も気にしない様子で「いいよ、朝ピンポン押してな。」と言ってくれた。

とても嬉しかったし、とても心強かった。

 

それから中学3年の春頃まで一緒に通うことができた。

私はこのYくんに守られていた。特段、イジメられることも先輩たちに目をつけられなかったのも、私が”Yくんと一緒にいるヤツ”になれたからだった。

Yくんは本当は私みたいなダサい、ガリ勉と一緒に通うのは嫌だったかもしれない。でも昔のよしみを無下にもできない、そんな複雑な優しさ出会ったのだと思う。

そう思う一方、Yくんも一定、私を必要としていた可能性もある。

私は先生方からの評価が抜群に良かった。ガリ勉であっただけに成績はよく、服装や素行も問題なかった。クラス委員をやっていたこともある。

Yくんは度々職員室に呼ばれていたようだった。ただ先生方も、”山本と登校してるよな…根はいいやつなのかも”という印象を持ってくれていたのかもしれない、と私はポジティブな推察を這わす。そう思いたい。

 

Yくんとの登校時間は無言であることも多かった。本当に感謝だ。

 

当時は携帯電話もなく、今は連絡先もわからない。ただ、今、感謝を伝えたい。