プロ野球界は新庄剛志氏に感謝しないといけないと思う話

2004年、新庄選手は日本プロ野球に戻ってきた。古巣の阪神ではなく、イマイチ盛り上がりに欠けていたパ・リーグ日本ハムファイターズに入団した。

その年のオールスターゲームでは見事お立ち台に登り、そこで「これからはパ・リーグです。」と声高らかに宣言した。

その後、今を見ると分かるとおり、パ・リーグセ・リーグに負けず劣らない人気を博すようになった。

 

彼の選手としての成績は、失礼ながら超一流とは言えないと思う。ただ彼の野球観戦を楽しませるというパフォーマーとしての行動は過去のプロ野球においても間違いなく1番であり、超一流のものがある。

プロ野球選手がドームの天井から、ワイヤーに吊られて登場することなんて今後ないし、ベルトに電光掲示板をつけて出場することもないでしょう。野球を知らない人がひと目見ただけで”なんか楽しい!”と思える選手だったのである。

 

プロ野球の人気はファンの数に繋がり、当然経営にも大きく影響する。日本ハムファイターズの人気がでたことで当然球団の経営にも良い影響を与えたことだろう。さらに、今まで見向きもされなかったパ・リーグそのものも注目され、プロ野球界全体の経営にも影響を与えたはずだ。

 

2004年、プロ野球界は再編問題で揺れ、球団経営陣と選手の信頼が揺らぎ、ファンも自身が支持する球団の存続を一時、心配した。そのような懸念を忘れさせる盛り上がりを、新庄選手はプロ野球界全体にくれた。

 

プロ野球は現在、数々のスポーツと戦っている。相手は、他のスポーツ興行である。特にサッカーはJリーグ発足の1990年代から莫大にファンを増やしている。ファンが増えれば競技人口も増える。人気があるスポーツはその選手層も厚くなり、一流の選手もより多くなる。

新庄選手が与えた、楽しませる・ファンを増やした、という行動は野球というスポーツそのものの存続に大きな影響を与えたのだ。

 

私に名球会入りを決める権限があるのならば、新庄氏を是非入れたい。そんな権限を手にすることは一生ないのだが、そう言っておきたい。

 

数日前から日本ハムの新監督候補に新庄氏の名前が挙がるようになった。そのペナントレースを戦う手腕は未知数だが、ファンの心を掴む力は一流だろう。まだ噂の段階だがとにかく楽しみである。

 

おもしろタレントに足を突っ込みつつある新庄氏にプロ野球界、特にNPBは感謝してほしい。そんなタレントに留めておくような人ではないはずだ。

 

ただ新庄氏の功績を称えるとともに、新たな活躍を期待したい、という話でした。