今週のお題「読書の秋」から、「嫌われた監督」を読んでいる話

今週のお題「読書の秋」

今、鈴木忠平/著 「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」を読んでいる。

 

中日ファンの中には落合氏のファンと、アンチ、両方存在する。私は中学〜大学時代を落合監督率いるドラゴンズとともに過ごしており、強いチームを作り上げた落合監督が好きだった。

 

一方、私より年配の中日ファンは今までのやり方を一新してしまったり、メディアに情報を流さなかったりする、いわば勝利のみを目指すスタイルを嫌う人も多い。

身近なところで言えば、妻の父、お義父さんがそうだ。「何を考えているかわからん。堅実な作戦でつまらない。」という。確かに観戦するファンからするとド派手で大胆なものは楽しい。これも考え方としては間違っていないと私も思う。

(お義父さんも私と同じ中日ファンだ。妻の実家を訪れる際、話題に困らないというのは本当に助かる。しかも楽しく会話できる。いつか詳細に書きたいことの1つだ。)

こういうファンからは、まさにタイトルどおりの嫌われた監督で会ったと思う。

 

本書は、野球のペナントレース(1年間の戦いのこと)に沿って書かれているものの、野球を仕事として捉える落合監督の姿が書かれている。嫌われた、という意味合いも、一般的な仕事に当てはめて考えると、職場の掟を変える人は少なからず敵を作ってしまうこととよく似ている。

落合監督は効率的に勝利・優勝を目指している。これが自然と今までのやり方を否定することになってしまい、その今までのやり方を好んできた、過去の英雄(今までの監督や選手)を慕う人たちにも嫌われる、というふうにも読み取れる。

 

ただ、落合監督は自分が正しいと思うやり方を真っ直ぐに行動に移しているだけであり、落合監督が嫌いだ、という人が読んでも、タイトルとは違う誠実さに惹かれると思う。

 

プロ野球ファンの方は、黄金期の中日を作ったノウハウとして楽しめると思う。特に野村克也氏、権藤博氏など、今までの固定概念を覆す采配をした方々の著作が好きな方ならなおさらだ。

プロ野球ファンでなくとも、仕事論として読むのもいいかもしれない、が、野球を全く知らない方は読み進められない… 少しでもこの本に興味が湧いた方は落合博満氏のWikipediaから読むのがおすすめだ。

彼の凄さと、変態さがよく分かる。