オリックスファンは野球の本質を見ていると思った話

オリックスが優勝間近だ。

私は、中日ファンであるが、2番めに多く現地観戦をしているのがオリックスである。

 

私は愛知出身だが、個人的野球観戦全盛期の大学時代を兵庫県で過ごしていた。対戦機会が多い阪神戦を見に行けばよいのだが、阪神ファンはどうも怖く、あまり行かなかった。

一方で交流戦しかないが京セラドームのオリックス戦は毎年行っていた。人気はともかく、最初は驚いた内野自由席なるもので快適に観戦することもできた。

当時は大引選手、坂口選手のユニフォームを着ているファンが多買ったように思う。赤線が入った旧ユニフォームも地味ながらかっこよかった。

 

表題のオリックスファンは野球の本質を見ていると思う、というのは、その内野自由席にいたオリックスファン同士の会話が耳に入ったときに感じたことである。

 

交流戦時、記憶は定かではないが、中日の外野に守備硬めで入った英智選手が、浅いフライにスライディングをした。ただ捕球はできずに脚部でボールを抑え、シングルヒットとなったシーンがあった。

中日ファン目線でみると、「あーあ 英智とってくれよー」と思ったのだが、左斜め前に座っていたオリックスファンのお兄さんたちは、「さすが英智だよな。捕球を試みているし、失敗しても後ろにそらさない。長打にさせない。一流だ。」と話していた。

目からウロコだった。たしかに難しい打球で、ガムシャラに突っ込むだけの外野手であれば長打になっていたかもしれない。やはり英智はすごかったのだ。

 

オリックスファンは関西地方で悲しい境遇にある。テレビ放送はおろか、ラジオ中継もない。そんな環境で決して強豪ではないチームをわざわざ現地観戦しているオリックスファンは、オリックスファンである以前に大の野球好きであると思う。これが表題の意味するところだ。

 

今年のオリックスはとても強いし、見ていて面白い。あのお兄さんたちは強い推しのチームをどのように見ているだろうか。にわかファンの私では理解できなかった3番紅林選手などの起用についてぜひ伺ってみたいものである。お兄さんたちのためにも勝ってくれオリックス・バファローズ